本書は、「すべての基礎は欲望である」との表示を新書カバーのどまんなかに置きます。さらに、「現代思想の行きづまりを打破し、根本的に刷新する。」とあります。「夢よりも深い覚醒へ」のなかで、見田宗介氏は、「日本人にとって、在日異民族の問題は、非常に特殊な、部分的な問題であるかのように今はみえている。けれども日本語の思想世界が、幾十万という民族的〈他者〉をその内部にもつこと、かれらが日本語で考えそして書く、独自の主体として立ち現れているということ、そしてかれらのさらに周辺に、混血者という二重に境界的な思想の世代を形成しつつあること、これらのことは、この思想世界の前線に、かけがえのない開口部を形成している。」「フッサールもそしてマルクスもフロイトも、ドイツ語で考え、そして書くユダヤ人だった。ヨーロッパ世界の中でユダヤ人が最も創造的な思想を生み出してきたのは、かれらがその生きる世界の中での〈他者〉でありつづけたからだ。ユダヤ人と韓国人・朝鮮人との民族的アイデンティティのあり方の相違、ヨーロッパ社会と日本社会との性格の相違に応じて、〈在日〉韓国人・朝鮮人は、ヨーロッパのユダヤ人とは異質の仕方で、けれども同様に創造的な思想の主体として立ち現れるだろうし、それはわたしたち〈在日〉日本人たちの思想に、鮮烈な刺激を与えつづけるだろう。」「もちろんそのために、時代おくれの悪法やその他の差別が存続してもよいということにはならない。幾人かの偉大な思想家を生むことよりも、ふつうの人間が背すじをのばしてかったつに生きられるということの方が、思想としても大切なことだからであり、そしてまた、すぐれた思想を生み出す力をもつ矛盾とは、〈不幸〉だけから来るというものでは断じてないからである。」と説きました。この結論部の前に竹田氏の紹介がありますが、これは直接講談社学術文庫『現代日本の感覚と思想』でお読みください。見田氏は、本年4月に死去。氏の書かれた「覚醒」の一語、本書に透徹した論理の淵源であると思います。力不足で、部分的に理解できぬ引用もありましたが、総論はわかりました。

2023/06/10

まだ、全部読めていませんがこれは我が家には必要な本です。一気に読めそうですが、しっかり頭に入れながら読み進めたいです。

2023/06/09

値段を考えれば内容には全く不満はありませんが、期待していたものとは違っていたかな、という感じです。おそらく一番の目玉？　である各分野の学び方については結構内容が少なく、独学大全の各技法を語るみたいな感じで取り組み方と、いくつかの本を紹介される程度で終わります。独学大全の最後にあった、国語数学英語のような具体的な実践方法が書かれているわけではありません。この部分は分量で言うと前半二割で、残りの八割は百問と参考資料紹介に割かれています。百問に関しては、思ったよりも自分にとってヒントになるものがあったな、という感覚です。そして参考資料ですが、これの量が想像以上で驚かされました。この部分はわざわざ通読しないで、文中検索などで気になるワード（例えば「数学」とかで）でかけて出すといい具合だと思います。一応通読した感想としては、本を紹介する本というのが一番適切なのではないかと思いました。少なくとも、外れ本は引かなくなる安心感は得られると思います。

2023/06/07

社会人です。語学習得をしたく十数年ぶりに勉強をしてみようと思ったものの、勉強の仕方が全くわからない。というのも、学生時代「座学」を全然やってこなかったため（専門的な学部に進学したので、いわゆる教科別テスト形式の受験もほぼ未経験でした）どうすればいいのかピンとこなかったのです。そこで、基礎の基礎から知りたく本書を購入しました。受験勉強をしたことがある人からすれば当たり前のことかもしれませんが、集中の仕方や勉強計画の立て方など、学ぶものは多かったです。社会人が仕事を進めるにも大切だなと思うこともありました（受験対策や定期テストについての項目は私の目的とは違うので流し読みしていました）。文章もわかりやすく、30分～1時間程度で読めると思います。勉強意欲が湧いた大人の方が読むと、初心を思い出せるのではないでしょうか。

2023/06/04

本書は中学レベルの英文法があれば始めることができます。特徴は次のとおりです。◯難しい単語は訳が書いてある毎回辞書を引くことになれば、やる気がなくなりますが、本書ではあらかじめ単語の訳を書いてくれています。◯全ての文に構文が書いてある独学でもつまづかないように、SVOCが貼ってあります。◯解説がわかりやすいポイントを押さえた解説です。◯解釈方法をパターン化しているパターン化しているので、長文に置いても当てはめやすいです。本書を繰り返し解き、音読をすることで、長文が読めるようになりました！皆さんもぜひ本書を手に取ってみてください！

2023/05/31

本屋大賞を受賞された町田そのこ氏の作品を初めて見ました。　天邪鬼な性格なので騒がれてる作家さん達の本はえー本当にいいの？そんなにいうほどいいの？本当にぃ？というスタンスで読みますが、まぁ当たり前なんですがマジで良いんですよね。人気の作品には必ず人を惹きつける何かがある（稀にないものもある）！！町田作品は解説の方もおっしゃってた通り本当にビックリするくらい筆力が凄まじくてスルスルスルスル読めるんです。もう夏にうまい素麺食ってる並にスルスルスルスル文字が読める。読みやすすぎておかわりしたくなるくらい読みやすい。一度町田その子氏の文を読み始めると信号がない高速道路のようにノンストップで読めるんだから、本当凄いとしかいいようがない（語彙力）Amazonの評価トップの方は結構厳しい評価をなさってましたが、安心してください。一般人にはこの本の悪い点とか特にわかりません。めちゃくちゃ本が好きで死ぬほど読んでます、文章にはうるさいのよ！私は！みたいな人が読んだら気になるのかもしれないですが、別に、ただの素人の読書家が楽しみのために読むなら何も気になることはないです。むしろ面白い！！！！！私みたいに読むスピードが遅い人間が２日かからず読めたので、早く読める人は1日経たずして読了できるはずです。しかも読後感はとても和やか。もし今読むか悩んでるなら、ぜひお読みください。超オススメです。

2023/05/31

良かったです。機会があれば関連商品の購入もしようと思います。

2023/05/30

良かったです。機会があれば関連商品の購入もしようと思います。

2023/05/28

文章の趣旨を理解しようと、専らそこに意識を傾注してきた．物語を語るのは誰なのかを明確にし、視点（焦点）を把握しながら、時には、それが複数であったり、入れ替わったりする展開を追う目線を持つことを教えられた。焦点化のパターンにより、一つの事物が幾通りもの表現をもって記述され得る可能性に目が開かれた。今後自らのテクストに対峙する姿勢が変化するものと思う。良書でした。

2023/05/25

小２の娘が学校の10分間読書で読むために購入しました。娘は絵本の方がほしいと言っていたのですが、「試しに読んでみて」と説得して購入しました。結果的には正解でした。何度も繰り返し読んでいるようです。

2023/05/21